コミュニティ・ビジネスの広がり (その3)市民による行政への提言活動−市民会議に参加した立場から−

Happy Money 講座・特別連載

みたか市民プラン21会議メンバー

海野みづえ

 私は現役のビジネスウーマンだが、これとは別にコミュニティの活性化に大きな関心を持っている。昨今会社中心のライフスタイルがあたりまえになっているが、人間は生活の場があっての仕事の充実であるはずだ。そこで、自分の生活圏や社会的な活動に目を向け始めたところ、私の住む三鷹市で市民による基本計画への提言をまとめる動きがあることを知り、私も参加することにした。

 私は幼稚園時に三鷹に引っ越して以来、大学時代に一時市外に暮らした以外の30年間三鷹に住んでいる。三鷹市は東京のベッドタウンとして、都会への通勤にも程よい距離に位置しており、住んでみるとなかなか良いところだ。市民参加についても70年代から「住民協議会」が各地区につくられ、全国でも進んだ地域といわれてきている。

★1.市民の手による提言づくり

 今回は、市民参加をさらに進展させるチャレンジともいえる、市の基本構想・計画策定に対して市民から提言をしようというものだ。そしてそのための市民側の組織「みたか市民プラン21会議(略称:市民21会議)」を、市民の提案でスタートさせた。この活動は、「パートナーシップ協定」の締結により市長および行政もコミットしているものである。

 会議は10の分科会で構成され、1年間かけて市民の間で検討、議論されたことが2000年10月にまとめられた。第1から第6分科会までがトピック毎の検討をするものであることに対し、第7から第10分科会は、行政や市民の関わりなどの体制や制度的な面に焦点にあてている。

 最終提言はこの10の分科会ごとの個別提言を生かしながら、市民21会議からの視点という形で全体の要旨にあたる部分で構成されている(提言書は、http://www.mitaka21.city.mitaka.tokyo.jp/ を参照)。

★2.市民会議の意義と課題

 会議には最終的に総勢375名が参加した。分科会での進め方はそれぞれで特徴があり、参加する市民各自の自由な発言を尊重することを基本とすることから提言の内容には無理に外から押し込めるようなことはしなかった。私が所属した第9分科会は、「市民自治都市 みたか」をコンセプトとして、行政の透明化と効率化に関する仕組みについて議論した。これを確約するために、「自治基本条例」を制定するということも盛り込んでいる。

 これまで行政への提案というと、要望や依頼といったことが多かっただろうが、市民21会議では当分科会だけでなく全体に、市民もまちづくりへの参画の意識をもつことが重要との認識が共通してあった。それが提言の最後に「協働のまちづくりに向けて」として締めくくられている。これは大きな進歩ではないか。

 一方で、各分科会から出された提言がまとめきれなかった部分もある。10の分科会から出された提言には重複するところがあり、類似の課題について、あるところではAと考える一方、別の分科会ではBと提案しているところがある。このような見解の相違は当然なのだが、市民組織からの提言とするにはある程度の統一認識まで市民の間で調整することも必要である。このことは自由な発言の尊重の弊害なのであるが、かといって企業の意思決定のように合理的に切り捨てられるものではなく、そこは要注意だ。

★3.今後の方向

 さて、市民からの提言を受けて、現在市では今後10年間の基本構想、基本計画の策定に着手している。今回は、これらに市民からの提言をできるだけ取り込む、ということが約束されている。

 2001年2月には基本構想、そして4月には基本計画の素案が市から提出される予定だ。その後、今度は市民21会議からそれらの案に対する意見表明をし、キャッチボールが進められる。昨年の時点ではバラバラだった提言も、この時点で市民間の調整と合意を得たうえで市へフィードバックしなければならない。

 これだけ大勢の個人が参加した初めての試みだけに、市も市民も手探りであるが、少しずつ市民参加のチャレンジは功を奏してきていると感じる。2001年中には固めるという基本計画の策定に向けて、もうひとがんばりしよう。

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