コミュニティ・ビジネスの広がり (その1)

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海野みづえ

 コミュニティ・ビジネスは、一般に「地域を元気にする事業活動」ということでおおまかな捉え方をされています。そこでここでは以下のもう少し詳しい条件を加え、その具体的な事例を簡単に紹介します。

・ コミュニティの発展のために、
・ 複数メンバー(市民)の協力を得ながら、
・ 利潤の拡大を追求するのでなく適正な規模を維持して、
・ 継続的な運営を展開している事業

 またコミュニティ・ビジネスは、会社組織だけでなくNPOの収益事業にもあてはまります。

 これらの活動の成功要因を分析してみると、以下のような傾向がみられました。

●仕事を通した生活面での交流機会の拡大

 事業の活動範囲が広がるに伴い、そのネットワークを活用して参加者や消費者が個人では体験できなかったコミュニケーションの機会を創り出している

●「しごと」の場の創出

 生活の糧のためではなく、生きがいや自己実現として生涯現役で「しごと」をする場を地域のなかに創り出すことで、コミュニティが活性化する

●コミュニティの拠点としての事業活動

 地域密着の事業の展開はその地域の物理的なコア拠点となって、コミュニティの人材が集まりやすい動きをつくることになる

 活動の目的は利潤をあげることではなく、コミュニティに貢献することです。こうした社会性のある活動を展開することで、参画してくる市民、住民はここで金銭以外の価値が得られることを発見し、満足感を得ることができまた連帯感が生まれます。この満足感は、生活のうえでの生きがいや自己実現であったり、技能が習得できる、またこれまで培ってきた技能が全く別の場面で生かすことができることの充実感、面白さであったりと、様々です。このような満足感の提供により、収益性が低い社会的な事業であっても参画者のアイデアや知恵、技術、技能を活用することができ、経営に必要な資源を低コストで確保することが可能になるといえます。

 一方で、NPOや社会性を帯びた活動といえども事業を継続的に展開する以上、経営体制を整えることが重要です。ボランティア団体などでは、参加してくれる意志を大事にするあまり、提供するサービスへの品質管理の方がおろそかになってしまうケースが通常見受けられますが、成功しているケースでは、任意団体で多数のメンバーが参画している場合でも活動全体のなかで機能を分担し、それぞれの経営責任を明確にしています。さらに、分担された機能が遂行されるようなチェック&バランスの体制をもつことで、参画してくる市民の余暇を機能的にまた戦略的に活用しています。

 これからコミュニティ・ビジネスを立ち上げようとしている方々は、いきなり何でも揃った経営をする必要はありませんが、上記の要因をよく頭に入れ、具体的に形にしていって欲しいと思います。

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