環境会計ってなに?

連載:「企業と環境」のホット・トピックス(その3)

上村光弘

 ここ1〜2年、多くの企業で環境会計という評価の仕組みを取り入れる動きが盛んである。たまたま手近にあった上場企業数社の環境報告書最新版を見てみると、いずれもが環境会計のページを持っていた。今年5月に環境庁がガイドラインを出すなど行政の動きも活発である。

●環境会計とはなにか

 企業は本来環境保全を目的としているわけではなく、営利を目的とする団体である。やみくもに環境保全に経費を注ぎ込むわけにはいかない。とすれば対投資効果が気になるのはごく当然のことであろう。環境会計とは、環境保全コストをその細目ごとに保全効果を対比させて、企業内外の意思決定に利用できる情報を提供するものである。

●手法はまだまだ発展途上

 採用している企業でも試行錯誤でおこなっているというのが現状である。コストは貨幣化するという点でほぼ合意は取れているものの、効果をどうやって計算して何で表すかについては統一的なものがない。エネルギー使用量や廃棄物削減など、単体では比較的数値化しやすいとも言えるが、統一指標は難しいだろう。さらに、環境リスクの回避など潜在的な効果も含めた場合はどうやったらいいのか見当もつかない。

●われわれは環境会計をどうみるべきか

 現実の環境報告書を見てみると、公開している範囲や表示方法もさまざまであるが、コストの貨幣表示は当然として、効果面では通常は確実に計算できる物量をそのまま表示するか、仮定を含めた貨幣換算のようである。前述したように手法として確立されているわけではなく、同業であっても比較可能とは言い難い。

 では企業外部の者が比較可能性のない情報をどのように利用すればよいのか? 明確に答えることはできないが、例えば、他社と比べてどのような分野に重点をおいてコストをかけているかはわかるだろう。少なくともコミュニケーションの手段にすることはできるはずだ。

 最後に、ひとつだけ指摘しておきたい。環境税なども含め、従来より企業は行政の規制を嫌い自主的取り組みを強調する向きがあったが、将来的に環境会計は企業の自主的取り組みの効率制を示すためのツールになりうるということである。

●参考文献

・「環境会計システムの導入のためのガイドライン(2000年版)」環境庁、2000年5月
http://www.eic.or.jp/eanet/
・「よくわかる環境会計」多田博之著、中央経済社、2000年3月、\2000
・日経エコロジー2000年7月号p104「ビジネスリーダーのための新環境学 コスト対効果の評価に踏み込む 環境会計ガイドライン最新版の到達点と新たな課題」國分克彦

★追伸 エコファンドと荏原製作所

 先号でエコファンドを取り上げましたが、現在エコファンドとして売り出されている投資信託5ファンドの内4つが荏原製作所を投資対象からはずしたそうです。1つは持ち続けています。どうやらダイオキシン流出事件に関する荏原の対応をしばらく見守りたいとの意向があるようですが、投資家に対する説明責任をどう果たすか興味深いところです。

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