宇宙開発フォーラム2005 IR/PR報告会 参加記

■ 宇宙開発再考プロジェクト ■              
文責:上村光弘        
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 技術以外の視点から現実的な宇宙開発のありかたを考える学生団体「宇宙開発フォーラム(SDF ; SPACE Development Forum)」の報告会に、2005年12月4日、宇宙開発再考プロジェクトの2人で参加した。

●宇宙開発フォーラムとは 

 宇宙開発フォーラムは、首都圏の大学生を中心とした団体である。2002年12月に発足、約30名のメンバーがいる。

 これまで宇宙開発に関して我々が接する情報は、どうしても技術的・科学的話題が中心となりがちであり、「人類の夢」として語られることが多かった。それに対して宇宙開発フォーラムは、宇宙開発は工学的知識だけでは進めていくことができないことを踏まえ、

(1)ビジネス・政策・法律といった社会科学的知見の蓄積
(2)学生や市民団体とのネットワーク、情報交換
(3)宇宙開発にかかわる実務家・研究者・ビジネスマンとの交流

を通じて、現実的に意味のある宇宙開発のあり方を探り、社会にアウトプットすることを目的にしている。報告会の間、理系と文系の融合といった言葉を何度か耳にした。実際、メンバーの所属を見ると、いわゆる文系・理系がほぼ半々となっている。


●4つの研究会

 本フォーラムは次の4つの研究会活動をおこなっている。その成果発表の場として、今年9月、日本科学未来館にて「宇宙開発フォーラム2005」というシンポジウムをおこなった。今回、私が参加したのが、本シンポジウムの報告会という位置付けとなっている。本来ならば、シンポジウム参加記にしたいところだが、今回の報告会でも、そのユニークな活動を理解することができるだろう。


(1)法律研究会

 今年のテーマは「契約」。宇宙開発は、高額・高リスク・国際的といった特徴がある。そのため、トラブルが起きた際に契約書は重要な意味を持ってくる。
9月のシンポジウムでは、架空のベンチャー企業の法務部社員となって、契約書の不備を訂正するというワークショップをおこなった。


(2)政策研究会

 今年のテーマは「発展途上国の宇宙開発」。宇宙開発には、社会インフラ、国家威信発揚、軍事、科学技術振興など、さまざまな思惑がある。

 9月のシンポジウムでは、架空国の政策担当者となり、国際情勢を踏まえ、限られた予算内で宇宙開発計画を策定するというワークショップをおこなった。


(3)技術研究会

 今年のテーマは「安全性」。絶対の安全がありえない以上、制約の範囲内で、リスクの高い危険因子を小さくする戦略が必要になってくる。技術的な危険因子だけでなく、組織(マネジメント)的な危険因子も視野に入れる必要がある。

 9月のシンポジウムでは、架空国のスペースシャトル打ち上げの安全設計者となり、危険因子の指摘とその対策を検討するというワークショップをおこなった。


(4)ビジネス研究会

 今年のテーマは「宇宙旅行」。宇宙開発分野では、「宇宙旅行」という商品が、現実的な話題になりつつある。

 9月のシンポジウムでは、架空の宇宙旅行会社の社員となり、各種のマーケティング分析をし、自社に最適な旅行プランを作成するというワークショップをおこなった。


●社会人予備校として

 本報告会に参加し、あらためて宇宙開発を考える視点が狭かったことに気づいた。同時に、宇宙開発フォーラムの活動が、宇宙開発というテーマにかかわらない、他にも広く応用がきく学習になっていることにも注目したい。例えば「宇宙開発」を「環境対策」にかえても有用な議論が出来そうである。
 さらに、対外交渉、プロジェクト運営、人脈作りなど、本フォーラムの活動自体が、実地の経験となっている。こちらも彼らにとって重要な学習と言えそうだ。

 一方、宇宙開発のマイナス面への視線は弱いようである。今後の活動に期待したい。


※宇宙開発フォーラムURL http://www.sdfec.org/

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