市民科学・リビングサイエンス|市民科学研究室
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社会が求める"市民科学者"とは (2/4) 素人による研究発表私達は自分たちの活動をやるときにある原則というか、スタイルを守っていこうとしていまして、それは、まず定例研究発表についていいますと、なんといっても自前の発表が多いことです。普通大学での講義は先生がやりますし、一般の公演会であれば「偉い方」、スペシャリストというか、エキスパートというか、そういうことを専門的に極めていらっしゃる方を呼んで話を聞く、ということが多いと思います。でも私達はなるべくそうしないで、自分が本当に関心があるのだったら、自分で勉強して自分で深めて、そしてみんなの前で思い切って発表しよう、というスタイルをとっています。150回ほどの発表会のうち4分の 3くらいはそういうスタイルでやってきました。テーマを決める段階からみんなで話し合って、担当した2人とか3人とかの人は2ヶ月3ヶ月かけて勉強するわけですね。みんな昼の時間はそれぞれ仕事がありますので、夜の時間しか使えません。そうすると、週一回とか2週間に一回、喫茶店とか、今は事務所がありますけれども、そういうところに集まって、読んできたものやインタビューした結果を報告して、メンバーで議論しながら準備をすすめていくことになります。素人が単独でやるのはちょっと危なっかしいので、できるだけ共同研究にしています。実際の発表時間は1時間半から2時間と長いのです。しかも聴衆の中には専門家もいたりするのでいいかげんなことは言えません。素人なりにがんばってちゃんと勉強する、というのが私達のモットーです。討論も同じくらい、2時間ぐらい取るので、お昼の2時から始まって終わるのは6時、という感じです。討論のときにはそれぞれが自由に意見を述べ問題提起をして、という形をとっています。 研究発表をやったあとに食事を自分たちでワーッと作ってみんなで一緒に食べるということがあります。これがなかなかいいやり方で、一緒に食べながらわいわいがやがやしてより親しくなって、活動の輪に加わってくる人がいる。 発表した内容はさっき言いました『どよう便り』に載せていくことにしています。 こういうスタイルに固執しているのは、ただ単に科学技術社会の問題について「こんな問題がある」と言うだけでなく、自分たちなりに踏み込んで「どう解決したらいいか」を見出す、あるいは解決まではいかないにしても「その問題のどこをどう突っつけばいいか」を自分たちなりに見極める、そういう主体的な姿勢を維持したいからです。 では研究発表(土曜講座)でどんなテーマを扱ってきたかお話します。実に様々なテーマを取り上げていることが分かると思います。ここ2年くらいを振り返ってみます。 まず「私達は科学館に何を求めるか」、これはプロジェクトの立ち上げの集会です。次に干潟の問題、三番瀬。そしてごみに関するレジ袋の問題。これは杉並区で有料化が導入されましたけれども、たぶん全国に広がっていくだろうということで、このことを海外調査した方の話を聞きました。次は、私達の仲間でスウェーデンに行って1ヶ月ほど向こうを視察してきたメンバーがいたのでその環境行政や環境教育の話。その次はコンセンサス会議。これは皆さん聞かれた方もいると思いますけれども、要するにデンマークで生まれたやり方で市民の中から無作為に、ある争点となっている特定の科学技術社会のテーマで意見を述べるメンバーを募り、議論させる。そのときにそのテーマに関連する科学技術の専門家を呼んできてレクチャーを受けて市民の側の意見や意思をまとめてみる、という手法です。これを、政策決定には使わないけど政策を作る際の参考にするわけです。今ヨーロッパを中心に少しずつ広がってきて、日本でも実際に遺伝子組み替え食品の問題で農林水産省がやりましたね。その次は学校教育の中で総合的学習の時間ができたので、私達もそれにあわせてプロジェクトを作ろう、ということでこれがワークショップにつながっています。 研究発表と呼んではいますが、私達は結構外に見学に出かける機会を持っています。例えば琵琶湖博物館を見に行くと同時に愛知県の足助村というところに行ってそこで守り育てられている伝統技術がどんなものかをみたり、埼玉県の小川町で自然エネルギーの活用を目指しながら有機農業を長年実践している自薦や農業をやっている方がいるのですが、その金子美登さんという方にお話をうかがったりしました。「紙の博物館」に行ったこともあります。私達のメンバーの中に製紙会社に長いこと勤めた方がいまして、紙作りの現場はどんなものかということを話してもらいました。 それから、NPO法人に私達はなろうとしているのでそのことに詳しい方から話を聞いたりだとか、ノーマ・フィールドさんといって、みすず書房から『天皇逝く国で』という本を出している方ですけれども、私達の中に知り合いがいましてこの方を招いてお話を聞いたのです。じつはノーマさんはシカゴ大学の教授で文学部の学部長をなさっています。今年アメリカにエコツアーに行ったときにノーマさんのご自宅に滞在して、ノーマさんのお連れ合いがさっき言った EPA(米国環境保護庁)の役人の方なので、その人にシカゴツアーを企画してもらい、親しく交流しました。 それから後で詳しく言いますけれども、電磁波関連の発表が3つぐらい入っています。例えば「高周波電磁波のリスクを考える」は、「電磁波プロジェクト」という私達のプロジェクトが1年間かけて調べたことを発表した機会です。東京タワー電磁波の調査の発表でした。次は「素人のための疫学入門」。これもまた後でふれますが、私ともう一人東京理科大学4年生の学生さんが組んで1年間疫学の勉強をしたのです。週一回喫茶店で会って大学院で使うような英語のテキストを開いて、専門家になろうとするわけでもないのに二人で問題を解きながら議論してということをずっと続けたのです。どうしてこんなことをやったのかというと、東京タワーの周辺の電磁波調査をして、それの健康影響を調べるためにいろんな統計を調べたのです。その統計をどう解釈したらいいのか、というときに疫学がいるのです。二人が専門論文を書く過程で必要に応じて行った勉強の成果を、統計学と疫学の基本手法を一般の人に伝えるために発表した、ということです。さらに今度は、高圧線から出る電磁波の人体影響専について、国立の研究機関で疫学研究に従事している専門家を呼んで詳しいお話を聞く、という集会も持ちました。 それから、私達の仲間に、皆さんもひょっとしたら聞かれたことがあると思いますけれども、9.11の事件の後に若い人を中心にChanceという名前の非戦・反戦の運動グループができたのです。渋谷などでピースウォークといって面白いデモをしかけている人たちです。このChanceの呼びかけ人の一人に小林一朗さんという人がいまして、その方は今この市民科学研究室の運営委員としてがんばってくれています。その彼にChanceの活動、平和運動の目指すべきことを話してもらった。 それから私達の知人に長年軍縮・核廃絶運動に取り組んでいる梅林宏道さんという方がいまして、岩波新書で『在日米軍』という本を昨年の5月に出されたのです。その方を呼んで今後日本がどういうふうにアメリカの軍事戦略と距離を置いてやっていけるのかという話をつめてみようとしました。その次の「ノーベル賞の100年から考える20世紀の科学技術」、これは楽しい機会でした。上野の国立科学博物館で「ノーベル賞100周年記念展」があって、その解説員というか学芸員みたいな、見学者を案内して説明をするアルバイトをしている最中だった私達のメンバーがいたので、その方の丁寧に案内をしてもらい、そのあとちょっと場所を移して、東工大で科学史を教えている梶さんからレクチャーを受けて、いったい20世紀の科学にとってノーベル賞ってなんだったのか、ということを考えたりしました。 その次が「科学ジャーナリズムの可能性を探る」。これはそこに座っていらっしゃる高重さんと、浅川さんという東大の院生のお二人、それから私の友人である林衛さんっていって岩波の『科学』という雑誌を7年間編集してこられた方の三人の発表でした。その次も東大に関係しますね。東大生であったときに『立花先生、かなり変ですよ――「教養のない東大生」からの挑戦状』という本を書いた人います。谷田さんっていう方ですけれども、その彼と会ってみたらとても面白い人だったので、話してくれない?ということで、皆で立花隆について論じました。 次はキューバの有機農業を訪ねて、ということで、キューバというのは社会主義の国ですが、ソ連崩壊を機に孤立無援状態になったときどうやって生き延びていくかということで、面白いことに農業生産を全部有機農業に変えちゃったのです。200万都市で自給を達成するという著しい成果をあげている。そんな世界から注目される農業をやっているキューバを数年に渡って現地訪問をしている方に話を聞きました。最後に書いてあるのは宣伝ですけれども、来週の1月 25日に私が生物兵器開発の話をする。こんな感じで研究発表を続けています。 市民科学研究室が研究発表をするときには二つの基本原則をはずしたくないなと思っています。 一つはできるだけ幅広いテーマを取り上げるということ。いろんな問題がじつは私達の生活に関わっているということを意識してもらうためです。そしてもう一つは、どんなに難しそうな話題を扱うときでも初めてきた人にも分かってもらえるように話そうということ。そのためには自分たちで話す内容をよく咀嚼して、頭の中で整理しなければならない。これはなかなか難しいことなのです。やっぱりどうしても専門的な内容に踏み込んで話さなければならないということは起こってきますし、2時間という枠の中でどう組みたてたらよいか悩むこともあります。舌足らずになってしまったりとか、詰め込みすぎて消化不良を起こすような発表になってしまったりとかいうことはよくありますので、その辺は批判されて当然なのですけれども、ただ、素人の市民がこれだけがんばってここまでやってみて限界はこうでした、という姿を率直に見てもらおうという立場で私達やっていますので、それはそれで聴衆として参加する方にとって参考になる部分もあるのではないか、というふうに考えています。 プロジェクトのお話をします。これは発足したのは2年前ですけれども、昨年末ぐらいから今年にかけて新しいプロジェクトがいろいろと立ち上がってきました。10近いチームが動いています。4人ぐらいのチームもありますし、勉強会によっては15、6人の規模のものもあります。それを簡単に紹介します。 まず、プロジェクトの狙いは一つのテーマに1年とか2年とか持続的に取り組んで調査研究を進め、その成果を踏まえて具体的に世の中を動かす、というと大げさですけれども、省庁と交渉したり、報告書を作って政策提言をそこに含めたり、あるいはいろんな自治体とか学校と協力して新しい必要な活動を提起していく……といったことです。 どういうテーマでやっているかというと、当然ですが私達は何でも扱えるわけではないので、集まったメンバーの特性とか関心を活かしながらテーマを決めています。 一つは「科学館プロジェクト」。これは世の中に科学館や科学博物館って結構たくさんあるのですが、それを市民と科学のいい接点を作るのに活用していこうという意図を持っています。科学館という存在を、ただ単に一回見て終わりとか、小学生が学校の授業の延長で見学に行って終わりとか、そんなふうにならないようにいい場にしていきたい、ということです。今狙っているのは「住まいの科学館」というのをもし日本で作るとしたらどんな風につくったらいいだろうか、ということです。住宅とか住まいの問題は、皆さんちょっと勉強されたらすぐ分かることですけれども、環境問題の一つの焦点なのです。つまり、エネルギーも関係してくるし、廃棄物も関係してくるし、化学物質も関係してくるし、いろんなインフラも関係してくる。住まいをどうやっていいものにしていくかが、環境問題の解決に欠かせない。私達は、例えば皆さんもある程度の年齢になれば家を買うわけですが、じゃあ、どういう家の買い方をするかというと、たいていはハウスメーカーが作った宣伝パンフレットやモデルハウスを見て、自分の収入を気にしながら1千万円の家にしようか、2千万円の家にしようかな、と悩みながら買うわけです。でも本当は一番いいのは自分がこんな家が欲しいと示すこと、できることなら自分で設計して自分で作るのが一番いいわけですよね。で、そのときに配慮しなければいけない環境問題などをしっかり考え合わせてやるのが一番いいのです。でも私達は全然そんなことをする能力を持っていないでしょ。もちろん自前で全部作る必要はないのですけれども、少なくとも家にとって何が大事かということをちゃんと勉強しなかればならないのです。そうした機会を提供できる科学館を提案したい、ということで今実際動き始めています。いろんな専門家と相談しながら、実際に市民が知っておかなければならないこと、体験しておかなければならないことを整理して、提案にまとめていこうとしています。 次に「電磁波プロジェクト」。これは後で詳しく言いますが、簡単に言うと、身の回りにたくさんの電磁波がありますけれども、それが身体にどんな影響を与えているか、ということをただ単に研究者が発表する論文をフォローするだけでなく、自分たちで計れる範囲で計ってみて自分たちなりに考えてみようじゃないか、ということです。電磁波プロジェクトは、今のところ私達がやっているプロジェクトの中では一番マスコミに注目されている部分です。朝日新聞にも3 回取り上げられています。 その次は、たぶんこのなかでも関わってくる人がいるのではないかと思うのですが、「科学技術評価プロジェクト」です。国が大学、企業にお金を出して進めている、特に経済産業省が動かしている、産業技術政策・産業技術がらみのプロジェクトがいくつもあります。動くお金はもちろん何十億というお金が動きます。大きいものは100億を超しますが、そういう5年とか10年のプロジェクトは、立ち上げの段階から最後の(やったことを)評価する段階に至るまで、一般市民が介在する余地は全くありません。全くないにも関わらず、じつは私達の生活にけっこう大きな影響を及ぼしたりしますし、たくさんの税金が投入されているという現実があります。これを少しでも外から見えるようにしよう、というのが狙いです。実際には国の一つのプロジェクトに注目して、その立ち上げから最後の段階まで追っていかなければならない。でも、これ自体かなり大変で、要するに内部的な情報をどうやって引き出すかが難しいのです。それで苦労しています。私達が今取り組んでいるのは、量子化機能素子という、要するに、シリコン素子半導体はいずれ行き詰まって新しい素子の開発が必要だということで 10年前にスタートして昨年終了したプロジェクトがありまして、これを調べています。幸いなことにこの分野に強い現役の研究者の方がメンバーに入っているので、なんとかうまくツテを伝って内部的な情報もいくらか収集しています。「科学技術評価プロジェクト」のリーダーは東大で科学史・科学哲学を専攻している方で、私達の古くからのメンバーなのです。そういう方々の専門的な能力が必要になる、たぶん私達のプロジェクトの中では内容的には一番難しいプロジェクトです。 それからプロジェクトというよりも出張講座という感じの活動が「出前ワークショップ<科学技術と社会>」です。これはさっき言ったワークショップです。うまくいけば子供向けの科学教室や、大人が科学技術を実際身体で体験しながらその意味を考察する教育的な場などに発展させていけるかもしれないと思っています。 以上がすでに2年近く活動を続けている4つのプロジェクトです。では最近立ち上がってきたものを紹介します。 ひょっとしたら皆さんの中にも関心を持って加わってもらえる人がいるのではないかなと思うのですが、「科学技術時事ウォッチング」は来年2004年に私達の活動の大きな柱にするつもりの活動です。科学技術に関する時事的な問題は日々起こっているのですが、それらの情報を収集・整理・分析して一般市民に提供していく、ということをやりたいのです。そのためにはある程度専門能力を持ってないといけないし、英語も読めないといけないし、スタッフどうしで議論して何がポイントなのかということをはっきりさせないといけない。しかもウェッブもうまく活用できないといけない。ということでいろいろ乗り越えなければならないことはあるのですが、シンクタンク的な機能を強めるということはやっぱりこれが基本になるので、この時事問題を扱うチームを今年何人かで作り、情報を処理していく体制を確立しようとしています。これには大学の学部生・院生を含めて、こういう作業にちょっと関心あるなという人に勉強会に関わってもらいたいのです。例えば月1回とか2回とかの勉強会に参加してもらって、私達スタッフを含めて皆が持ち寄るいろいろなニュースを回覧しながら、「じゃあこれ翻訳してくれない?」とか「この分野について調べてきてくれない?」とか「大学にあるこの雑誌の論文を検索して入手してもらえない?」とか、そういうつながりを作っていきたなと思っています。幸い私達の事務所は本郷の東大正門のすぐそばあるので、学生さん達に積極的に呼びかけてみるつもりです。 次は「藤野に集うプロジェクト」。中央線の高尾の二つ先に藤野という駅があります。その藤野町に私達の知人がいまして、そこがすばらしい場所なので、とにかくイベントや祭りが好きな人が多い市民科学研究室で「合宿したりするのに使える別荘を将来的に持ちたいね」という話が出てきまして、どうせ別荘を持つのだったら自分たちで作ろうじゃないか、という企画なのです。で家作りのノウハウを勉強しつつ藤野の人たちと徐々に交流を深めて、3年ぐらいかけて実現しようと思うのです。去年すでに2回、それについ一昨日も泊りがけで藤野に出かけてきましたよ。 「生命操作プロジェクト」は私が中心になって呼びかけている段階にすぎないのですが、要するに生命操作技術(脳死臓器移植、生殖補助技術、クローン技術、遺伝子操作など)やバイオビジネスが人間の命のあり方に投げかけている問題を整理し、市民の立場に立った基本的な思想的スタンスとは何かを考えたり、問題解決につながる政策形成に市民の意思がきちんと関与できるような方法を探ったりしたいと思っています。 それから「経済ゼミ」というのが始まっています。科学技術に限らずどんな問題を扱っていくにしても、その背景にある世界経済の動きと言いますか、お金の流れを自分なりにきちんと見ることができなければ、なかなかまっとうな問題解決ができないのです。ですから、グローバリゼーションの仕組み、私達が儲けたり貯蓄したり税金を払ったりする場合のお金の巡っていくいき方を把握する勉強会をしよう、ということでテキストを決めて開始しています。もちろんこれテーマは皆さんのこれからの生活に直結します。日本は、皆さん新聞でちらちら見ていると思いますが、財政破綻寸前の状態なのです。それが皆さんに重い税金としてのしかかってくるのか、あるいは年金なんかもらえないような時代になってくるのか。はたまた皆さんが郵貯とか銀行に預けているお金がどういう具合に保証されていくのか。そういうことも含めて、先行きかなり危ないというか不安な要素がある。また、プールされている金が実際裏ではどう使われているかという大きな問題がありまして、例えば郵便貯金でしたら国の予算を組むときの仕組みで財政投融資というのがあるですけれども、その財投を通してじつはいろんな海外での開発援助プロジェクトや国内での大規模公共事業などにあてるお金として借金として貸し与える仕組みになっているのです。税収とのギャップは国債をバンバン発行して埋め合わせる。この湯水のような税金の流し込み方は土建がらみの政治利権などとも堅く結びついているので容易に変わらない。その結果、なんと国と地方が抱える借金は合わせて700兆円を上回っているらしい。こうした財政や金融、そして国際経済のいびつな構造が環境破壊や南北間の貧富の格差を“自動的"に生み出しているとも言えるような現状があるのです。これを見据えていきたいというのが、このゼミです。 次は「水と土の連続講座」。最近水を巡っていろいろな新しい、というか怪しい商品なんかも出てきていますね。土などはあまり注目されていないのですけれども、今後土というものをもう一度ちゃんと科学的にとらえ返して、日本で必要な農業とか農業生産ですとかいろんな土の活用とか、そういうものをちゃんと私達が見ていかないと、持続可能な社会を作れないのではないか、ということがあります。幸いちょっと調べてみましたら、土と水に関する面白い仕事をしている大学の先生たちはまあまあいるのです。そういう人たちを何人か集めてみて話を聞き、私たち自身でも水と土について市民が知っておくべき情報を整理集約するという機会を、7月か9月にかけて持ちたいと思っています。これ自体はプロジェクトではありませんが、大型の「土曜講座」ですからスタッフもチームを組んでプロジェクト的にやろう、というわけです。 それから最後は異色ですけれども、「英語教室」を始めています。皆さん理科系の学生さんが多いからわかると思うのですけれども、英語はもう必須の道具ですよね。論文を書くときも英語で書かなければならない。最近は大学の英語の授業もだいぶん改善されてきておそらく音声面の強化だとか、ネイティブの人とのインタラクションだとか、いろいろ工夫がなされてはいると思うのですけれども、しかし現状ではコミュニケーションに本当に役立つような英語力を効率よく学ぶ場というのは非常に限られている。私たちのようにNPOで仕事をする人も含めて、ニーズはとても大きいのに。そこでそういう語学教育の機会を提供しようと考えたのです。半年間、準備のための通信講座をやって、その後ネイティブの人と私のペア授業ということで日本語をまったく使わない授業をする予定です。英語のニュースを一つ選んできてもらってその人に発表してもらい、それをみんなで議論する、というのを基本にしながらコミュニケーション能力を鍛えていこう、と思っています。そういうものが今年始まった、ということです。 以上がプロジェクトの紹介です。成果が出ているものもあれば、勉強会だけやっていて世の中にまだ全然アピールしてないものもあります。でもいずれどのプロジェクトも何らかの成果を示せる段階が来るのではないかなと思っています。その中の一つ、電磁波プロジェクトが今のところ一番はっきりした成果を出せているのでそれを紹介したいと思います。 ・STSから見た物理リテラシー ・市民のための科学と科学技術基本法 ・開かれた理科教育に向けて ・運営委員を体験して
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はじめに 市民科学研究室の活動の概要 素人による研究発表 ここ2年ほどの研究発表テーマに即して 自前の研究発表で貫いている二つの原則 調査研究のためのプロジェクト 新しく発足したプロジェクトや勉強会 東京タワー電磁波調査のこと 東京タワーの周辺はどれくらいの電磁波の強さか? 市民で探る、携帯電話電磁波リスク どのようにして専門領域に踏み込むか 市民の主体性によって成り立つ“市民科学" 学生の皆さんとの質疑応答 (Q&A)
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