これまでの市民科学講座詳細
2002年
第144回 キューバの有機農業を訪ねて(2002年11月16日)
講師:吉田太郎(都市農業研究会)、小林一朗(環境・サイエンスライター/科学と社会を考える土曜講座・運営委員)
90年代初頭、ソ連が崩壊し経済援助と石油の輸入を絶たれるというスペシャル・ピリオドを機に、キューバは有機農業への一大転換を決定した。現在では市場経済を導入しつつ、200万都市で自給を達成するという世界一の有機農業大国へと躍進した。その秘訣は何だったのだろうか?将来、日本にもエネルギー危機が訪れる可能性は否定できない。資源に乏しく、国土も狭い日本はキューバに学べることが少ないないはずだ。『200万都市が有機農業で自給できるわけ』(築地書館)の著者である吉田太郎氏は有機農業の経験豊富で、また何度もキューバを訪れている。この10月末にキューバへの視察を行う予定であり、帰国直後の吉田氏に最新のキューバ事情をレポートしていただく。また、視察に同行する当会運営委員の小林からは「持続可能な技術」の観点から現地の技術について報告する。
第143回 立花隆問題とは何か(2002年10月19日)
講師:谷田和一郎(ライター、『立花隆先生、かなり変ですよ--「教養のない東大生」からの挑戦状』洋泉社2001年の著者)
立花隆氏は、科学ジャーナリストとして高い知名度を誇っているが、その多くの著作の中には、科学的とは言い難い考え方、飛躍した論理、誤った事実認識に基いたものもかなり多く含まれている。それらの具体例を詳しく見たうえで、そういった著作が許容される現状について、及び科学と社会の関係におけるどのような問題を反映したものであるのか、ということを考察したい。
第142回 科学ジャーナリズムの可能性を探る(2002年9月21日)
講師:林衛(ユニバーサルデザイン総合研究所)、浅川直輝(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士)、高重治香(東京大学学際情報学府修士)
日本の科学ジャーナリズムが抱える問題とは何か。岩波書店『科学』編集部での経験、「科学ジャーナリズム研究実践ML」などの活動をふまえ、問題の全体像を明快に示す(林)。国際核融合炉ITERの日本誘致をめぐる新聞報道を分析し、高度な知識を要する科学の分野で国民の間で議論を喚起するに足る報道はいかにして可能かを探る(淺川)。近年注目されているメディアリテラシーの実践を参考にして、自ら科学を楽しみ、研究や政策にも参加する力としての「科学リテラシー」をどう育成できるかを考察する(高重)。参加者との議論によって、問題解決のための具体的なアプローチを浮き彫りにしたい。
第141回 「ノーベル賞の100年」から考える20世紀の科学技術(2002年6月8日)
講師:瀬川嘉之、梶雅範(東京工業大学 大学院社会理工学研究科)
20世紀の科学研究の歩みを、ノーベル賞を受賞した業績をとおして振り返り、研究や創造性そして社会の中での役割などいくつかの観点から21世紀の科学の姿を思い描いてみます。梶雅範さんからは、昨年のノーベル賞の新聞報道を手がかりに、「ノーベル賞とは何か?」「賞金と選考過程は?」「ノーベル賞の成功の理由は?」「ノーベル賞の光と影」といった話題を提供していただく予定です。博物館見学で得たものを共有して自由に語り合う場ですので、どうかお気軽にご参加ください。
第140回 米国の軍事科学と日本の基地問題(2002年5月25日)
講師:梅林宏道(NPO法人ピースデポ代表、太平洋軍備撤廃運動(PCDS)国際コーディネーター。隔週刊『核兵器・核実験モニター』編集責任。著書『情報公開法でとらえた・在日米軍』など多数。『在日米軍』(岩波新書)が5月20日に刊行される。)
今、戦争の姿が変わろうとしている。ナノテクノロジーや宇宙技術を含んだ超精密・超高度なITによって、コンピュータのかたまりと化した兵士が、自分はまったく無傷のまま、たった一人で敵に驚異的なダメージを与えることができるようになろうとしている。軍事力・技術力で圧倒的な優位に立つ米国は、同盟国を従えつつ、ハイテク化した軍事技術のグローバリゼーションを押し進めるかにみえる。そうした中で、在日米軍基地はいかなる意味を持つことになるのか。有事法制によって米軍支援を強化するという危うい方向を転換し、軍事力に頼らない真の安全保障を私たちが実現していくには何が必要なのか。
平和と軍縮のための市民の手によるシンクタンク「ピースデポ(平和資料共同組合)」を立ち上げ、アジアや太平洋地域の非核化・脱軍事化のための国際的なネットワーク作りに長年取り組んでこられた梅林さんに、科学技術と軍事の関係の新たな動向、日本が実現すべき新しい安全保障のあり方を存分に語っていただく。

第139回 新しい平和活動CHANCE!と持続可能な社会への転換(2002年4月27日)
講師:小林一朗(CHANCE!、土曜講座運営委員、環境・サイエンスライター)およびCHANCE!メンバー
昨年の9・11以降インターネットを活用した新しい平和運動CHANCE!(平和を創る人々のネットワーク)が生まれました。映画館でのCM放送やリボンキャンペーン、ストリーミング放送など、そのユニークな行動スタイルが注目されました。これまでにIT関連雑誌からファッション誌、新聞、テレビに至るまで何度も取り上げられてきています。活動しているメンバーの半分以上は市民運動をやったことがない、ということも特徴のひとつ。「自分のできることをやろう!」をキーワードに「できる範囲」を越えた活動が展開されてきました。呼びかけ人の小林一朗さんは土曜講座の運営委員でもあります。
今回の土曜講座ではその小林さんに、社会を持続可能なものに転換していくビジョンと手法、参加型の活動を通じてそれぞれの人が問題理解と自らの可能性に気づいていくプロセスなどを思いっきり話していただきます。

第138回 リスクコミュニケーションのための科学的証拠のとらえ方、−−電磁波人体影響の最新研究とエビデンス度(2002年3月9日)
講師:兜真徳(国立環境研究所首席研究官)、吉川肇子(慶應義塾大学)、竹田宜人(東京都立大学大学院都市科学研究科)
第137回 日本の戦後民主主義とアメリカ、〜ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』(上・下、岩波書店)を読む
(2002年2月17日)講師:ロバート・リケット(和光大学・比較文化論)、笹本征男(市民歴史家・占領史研究)、猪野修治(湘南科学史懇話会・科学史)
共催:第18回 [[湘南科学史懇話会>http://www008.upp.so-net.ne.jp/shonan/home.htm]] とのジョイント
アメリカ一国支配のグローバル化が世界中で蔓延している。日本はおろかにもアフガニスタン爆撃で積極的に米国支援を行った。日本の戦後民主主義の形成もアメリカを抜きには考えられない。昨年刊行されたジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』上・下(岩波書店、2001年)は、日本の戦後民主主義形成の根幹的な政治・文化・思想の誕生・形成を丹念に考察した重要な著作である。本書をめぐり、第二次世界大戦終結前後生まれの日本と米国の研究者の発言をたたき台にして、一般市民が現代日本の政治・文化・思想の状況をふまえながら自由闊達に議論・討論する。

第136回 素人のための疫学入門(2002年1月26日)
講師:上田昌文+小牧史枝
様々な病気や健康障害は、たとえそれが生じる生物学的なメカニズムがわからなくても、疫学によってその原因を究明できることがあります。“必ずそうなる”ことの証明を待っていては手遅れな場合でも、疫学を活用することで、間接的ではあっても明瞭な形でリスクの高まり具合を示し、対策を促すことができるのです。疫学は、統計学の基本手法を使いながら常識的な論理の積み重ねでリスクをとらえようとするものですから、その基本事項を学ぶことは誰でもできますし、様々なリスクを適切に判断するためにはその考え方に慣れ親しんでおくことが大切なのです。
この講座では、電卓を片手に演習問題を参加者全員に解いてもらいながら、統計学と疫学の基礎概念とその活用手法を解説します。大学の医学部などにだけ留めおかれるにはあまりに惜しいこの学問のエッセンスを、一般の市民が知的ツールとして身につける貴重な機会になると思います。是非ご参加ください。

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2000年
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