これまでの市民科学講座詳細
2003年
第157回 実践料理講座「酵母と遊ぼう! 料理を作ろう」+どようクリスマスパーティ(2003年12月13日)
毎年豪華な料理とへんてこな企画(「どよう券」を使った「どよう市」もある)で大好評の市民科学研究室・クリスマスパーティ。
今年は「あのおいしい料理の作り方をぜひ教えて欲しい」とのリクエストに応えて、
今話題の“酵母の食”について学び、市民科学研究室メンバーから第 1 級の調理の腕前を持つ 4 人を講師にすえて、
参加者皆でパーティ料理を作ります。 有益かつ大変おいしい一日となるでしょう。
特別企画 ユージニー・スコット博士を招いて「進化論と理科教育――米国における進化論と創造論の対立から考える」(2003年11月29日)
講師:ユージニー・スコット(Eugenie C. Scott)博士(全米科学教育センター所長)
共催:文京学院大学外国語学部・鵜浦裕研究室
このたび文京学院大学の共同研究プロジェクト(高取清教授+鵜浦裕教授)の招聘により、
全米科学教育センター所長ユージニー・スコット(Eugenie C. Scott)博士が来日することになりました。
そこで、鵜浦裕研究室とNPO市民科学研究室の共催で一般の方々に広く呼びかけて、
日本では議論されることが少ない「進化論と創造論の対立」の問題を幅広い文脈から考察する機会を設けることにしました。
アメリカの創造論運動は公教育分野を中心に現在でも続いています。 最高裁はこれまでに何度か「公立校の科学の授業時間に創造論(的視点)を科学理論として教えることに違憲判決」を 下してきました。しかし同センターによれば、2001年だけでも全米で43の現地の学区で科学の時間に創造論を導入する 提案が出されています。 また州レベルでも、オハイオ州教育委員会が創造論の導入を昨年検討し、 1999年にカンザス州教育委員会が進化を州の標準テストの必修項目からはずすことを検討するなどの動きがありました。
このように依然としてホットな戦いが続くなか、その情報が全国から同センターに寄せられます。 各地で科学教育を擁護する教育委員、教員、父母、政治家が同センターにアドバイスを求めてきます。 彼らに創造論導入を阻止する方法を、理論と運動の両面から指導しサポートすることが、 同センターの中心的な役割です。
ユージニー・スコット博士が 1987年に所長に就任しこの問題に取り組み始めてから、 すでに15年以上たっています。この間、彼女は講演活動や著作活動を精力的に展開してきました。 自然人類学をはじめ、文化、歴史、法律、科学論など幅広い視点から議論を重ねてきた結果、 現在ではこの研究分野の第一人者と目されています。
このテーマには、科学教育のあり方、宗教と科学の関係、進化論の思想・イデオロギーとしての意味合いなど、 科学と社会に関わるいくつかの基本的な問題が絡んできます。 対立の歴史をとおして米国の科学教育が鍛え練り上げてきたものが、 私たちに示唆する点も多々あるのではないかと思われます。
第156回 高周波電磁波の反射と重複 ―電車内での携帯電話からの受動被曝を例に―(2003年11月8日)
講師:本堂毅(ほんどう つよし)東北大学大学院理学研究科助手
共催:東京理科大学大学院理学研究科理数教育専攻加納研究室、ガウスネット・電磁波問題全国ネットワーク
「優先席付近では電源を切り、それ以外ではマナーモードにして通話はご遠慮下さい。」 電車内での携帯電話の使用について9月15日にJR東日本および関東の鉄道各社は統一した案内を決定を下し、 車内での携帯メールを大幅に認めることになりました。 これで本当に安全と言えるのかどうか、本堂毅さんを招いて実験を交えて検証します。 本堂さんは、列車内では多くの乗客から発せられる携帯電話の電磁波が重なって反射し合い、 その電磁波密度が国際的な安全基準値を大幅に超えうることを理論的に示し、警告を発しています。 当日は市民科学研究室「電磁波プロジェクト」から映像を用いて電波の基礎に関する解説も行ないます。 車内の携帯電話使用に関して広く社会に問題提起したいと思います。
第155回 近代から視る中国 ―一国家二制度と東アジアの将来―(2003年10月4日)
講師:塩出浩和(しおで ひろかず)城西国際大学講師
近代中国は三つの歴史的課題を追求してきた。帝国主義からの民族の独立、国民国家としての政治的統一、そして経済の近代化、の三つである。これらの課題はこの一世紀半以上にわたって取り組まれてきたが、二十一世紀初頭の現在、達成されたのは「独立」だけで、後二者は未解決である。「独立」 の問題を最終的に解決したのは、1997年の香港回収と1999年の澳門回収であった。「統一」については「台湾」問題が残っているし、「チベット」や「新疆」そして「モンゴル」の問題も不安定である。経済の近代化については 紆余曲折があった。中華人民共和国建国後三十年間は社会主義的近代化が目指され、八十年代からは市場主義的近代化が追い求められている。しかし、 それは「民主化」とは直結していない。「民主化なき市場主義」と「植民地回収」を両立させようとしたのが「一国家二制度」であった。これは中国の 「統一」問題とも結びつく。そして、この「一国家二制度」という歴史的実験は東アジアの将来にも豊かな示唆を与えてくれている。
第154回 めぐる水・不思議な土を知る講座(東京理科大学2003年度公開講座)

第153回 自然共生建築を求めて――住まいの快適さをエクセルギーから考える(2003年7月12日)
講師:宿谷 昌則(しゅくや まさのり)(武蔵工業大学 環境情報学部・大学院環境情報学研究科 建築環境システム研究室)
やたらに寒い冷房、部分的に熱い暖房に不快な思いをしたことはありませんか?熱効率を上げ、自然素材を使ったとしても、それだけでは自然共生住宅とはいえないようです。エネルギーの質を正しく表わせる“エクゼルギー”の考え方を使って住環境を見直すと、従来の工学的視点からはつかめなかった、住む人にとっての快適さが見えてきます。また、伝統的な建築技術をエクセルギーの観点から評価すると、人間と自然環境が調和できる秘訣が見えてきます。伝統的な知恵をハイテクが活用しながら快適さをつくっていく、そんな建築のあり方について考えてみます。地球の循環メカニズムと住環境のつながりを楽しく・面白く学ぶことができる貴重な講座になるでしょう。

第152回 携帯電話の電磁波リスク――市民の調査結果からみえる政策的対応の必要(2003年6月14日)
講師:市民科学研究室「電磁波プロジェクト」メンバー
共催:東京理科大学大学院理学研究科理数教育専攻加納研究室
携帯電話が爆発的に普及する中、携帯端末ならびに携帯タワー(基地局)からの高周波電磁波の人体影響が懸念されている。専門家の間ではそのリスクに関して意見が分かれており、疫学調査もほとんどなされていない。ことに日本では若年層への普及が著しく、将来的に大きな健康被害を被ることになるかもしれない若者自身が、そのリスクを自身で判断できるように、情報が的確に提供されなければならない。
そこで市民科学研究室「電磁波プロジェクト」では、2001年に携帯電話のマイクロ波と近接した帯域で長年比較的強い電波を発信してきた東京タワーに注目し、その電磁波の計測と周辺地域の疫学的調査を実施した。2002〜2003年には、携帯電話(端末、基地局)のリスクや政策に関する諸外国の情報を収集・分析し、また使用者の現状を把握するために大規模なアンケート(約1300名、健康影響項目を含む)を実施し、電磁波計測企業と共同で都内の都市部における携帯基地局からの電磁波を精密に計測した。これらの情報やデータをもとに、携帯電話について「予防原則」に立った適正な政策的対応を促すための基礎事項を明らかにし、市民の側からの行動を提起する。
番外編 「水と土の連続講座」プレイベント(その1) ―軟水銭湯体験会―(2003年5月31日)市民科学研究室では8月から9月にかけて「水と土の連続講座」(仮称・4回連続)を行います。その準備を兼ねて、水と土に関してそれぞれ1回ずつプレ・イベントを行います。水に関しては「軟水」を体験する会を企画いたしました。湯船・カラン・シャワーなど使っている水がすべて「軟水」の銭湯です。単に風呂上りのビールご希望の方も、また「軟水って何?」という方もどうぞご参加ください。

第151回 イラク戦争と私たち〜"戦争をしない道"は可能だ〜(2003年5月24日)
講師:川崎哲(平和運動活動家)
日本の市民のほとんどが、アメリカによるイラクに対する戦争はひどいと思っています。いっぽう、日本はそんなアメリカについていくしかしょうがない、とも感じているようです。北朝鮮の核やテロなど、予測できない脅威がたくさんあるから、というのが理由です。しかし本当にそうでしょうか?イラク戦争がどのように始まったのか、戦争で何が起きたのか、戦後にどんな影響が出ているのか、一つ一つ確かめながら考えてみませんか。
第150回 宇宙開発を再考する〜スペースシャトル事故を手がかりに〜(2003年4月26日)
講師:藤田康元ほか「科学技術評価プロジェクト」メンバー
宇宙開発はどのような目的のもとにいかなる技術的展開を構想しなければならなのか。そして安全性やコストの問題をふまえて、どのような社会的制御が求められるのか。宇宙開発を社会が受容する際に大きな役割を担っているメディアにもまた、新たな姿勢が問われてはいないのか。こうした諸点を、スペースシャトル事故を手がかりに、米国の宇宙開発史をさらえながら考えてみたい。そして、日本の宇宙開発にかかわっておられる研究者や宇宙工学分野などを専攻する学生の方々とも率直に意見を交換し、市民社会によりよい貢献をなし市民から共感と支持を得る研究開発とは何かを探ってみたい。

第149回 1人の映画人を通して戦争と平和を考える、―ドキュメンタリー映画『ルーペ』上映会&伊勢監督のお話―
(2003年4月19日)
講師:伊勢真一(映画監督)
「奈緒ちゃん」「えんとこ」などのドキュメンタリー映画監督である伊勢真一さんの「ルーペ」を上映します。映画界の先輩である瀬川順一さんというカメラマンの晩年に焦点をあて、1人の映画人の生き様を知ることができる作品です。同時に、1997年に完成したこの作品の中で、瀬川さんを通して語られる「ルーペ論争」(映画人と戦争の関係にまつわる議論)には、2001年の9.11同時多発テロ以降に生きる私たちにとって、非常に重要なメッセージが含まれています。上映後、監督ご自身によるお話つきの貴重なイベントです。ぜひご参加ください。
第148回 悩む女性をとおしてスローライフを考える(日時:2003年3月15日)
講師:竹永和子(NPOマザーリングボランティアネットワーク代表)
ライフスタイル・恋愛・結婚観の多様化により多くの女性が職場や家庭・地域社会で 活躍するようになっています。しかし同時に人間関係の悩みやストレスから各種依存 症に陥る人も増えています。ストーカーやドメスティック・バイオレンスの被害者に なる一方で、幼児虐待や児童殺害など加害者になる若いお母さんも増えています。マ ザーリング&ファミリーナーシング研究所長として様々な悩みと接している竹永和子 さんに、最近の女性を取り巻く状況を通して社会全体を問い直す視点を語っていただきます。

第147回 劣化ウラン−その環境影響を考える(2003年2月22日)
講師:山崎久隆(劣化ウラン研究会代表、たんぽぽ舎運営委員)
劣化ウラン兵器は、原子力発電や核兵器に使用するウランを濃縮する過程で生じる放射性廃棄物(劣化ウラン)を転用したものである。その中でも特に劣化ウラン弾と呼ばれる戦車砲や機関銃弾は貫通力が高く、また極めて安価に製造できるため、米軍を中心に他国にも配備が進んでいる。湾岸戦争では米軍を中心とする多国籍軍が、ユーゴスラビア紛争ではNATO軍が使用し、周辺地域が放射性物質に汚染された。未だに浄化されておらず、白血病、癌、先天性の障害が広がっている。また、従軍した米軍兵士も劣化ウランに被曝しており、本人とその子どもたちに影響が現れている。今後、米軍によるイラク攻撃が行われれば、必ず劣化ウラン兵器が使われると予想されている。今回の研究発表では劣化ウラン研究会代表の山崎久隆氏をお招きし、劣化ウラン兵器をめぐる歴史、被害と今後の予測について幅広い観点から解説していただく。また、併せて昨年のアフガニスタンで使用された最新兵器についても触れ、現在の米軍の戦略と私たちにできることを考える機会としたい。
第146回 生物兵器開発とバイオテロリズム(2003年1月25日)
講師:上田昌文
2001年10月に米国を襲った炭疽菌事件によって細菌兵器によるテロリズムは現実となった。第二次世界大戦中の日本の七三一部隊の所業や冷戦下での25年以上におよぶ米ソの生物兵器開発競争の歴史からみえるのは、ことに9・11以降にみられる国際的緊張が激化する状況下では、バイオテクノロジーの爆発的進展によって、生物兵器の開発と拡散が加速しかねないという恐れである。国際的禁止の取り決めは本当に有効なのか。バイオテロに対する真の防衛策とは何であるべきなのか。研究開発を平和利用にだけ限定させることはできるのか。歴史を振り返りつつ、今必要な取り組みを明らかにしたい。9.11事件以降、キリスト教およびイスラーム原理主義が注目されている。原理主義とは特別な人たちの信仰でも取り分け異常な行動でもなく、私たちの周囲に数多く見られる思想・行動様式である。例えば90年代勢いを増している「市場原理主義」は世界を統一された市場「狩り場」にしつつあり、日本の経営者には自らや法人を神格化している例も散見される。 なぜ、世界を原理主義が席巻するのか?宗教、経済、イデオロギー、科学技術などの分野を取り上げ、共通する「原理主義的性質」について報告する。

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