市民科学・リビングサイエンス|市民科学研究室

子ども料理科学教室

子ども料理科学教室とは
 生活者が自身に必要な専門知を上手に取り込み、主体的に科学技術を選択し、使いこなしていくためには、科学の学びや技術の習得のプロセスそのものが、そうした取り込みや選択や使いこなしを誘発するものでなければなりません。理科であれ数学であれ、現在の教育では学ぶことが生活をよりよくすることに直結しなくても、問題視されることはありませんし、高度な科学技術が容赦なく生活に入り込んでくる現状をふまえて、主体的な生活を営むのにいかなる技能の取得が必要かという視点は、ほとんど欠落したままです。「技術家庭科」での学びが、よりよい食生活の確立やよりよい住環境の創造にどれほど役立っているか、はなはだ怪しいといえるでしょう。

料理教室の写真

 そこで私たちは「食」を扱うことで、科学の学びと生活技術の習得を統合させた新しい形を例示しようと考えました。

 食べ物を作るという最も基本的な技術は、それをどう身につけて応用していくかで、生活自体を大きく変える可能性をもっていますが、理科の学びの観点からもじつに豊富な内容を含むものです。かつて実験生物学を学んだ私には、「料理は生化学そのものだ…」と思える瞬間が何度もありました。考えながら実験しながら“作り”、できたものを“味わう”ことで、自らの五感を働かせながら「なぜそうなるのか?」と自ら問うていく姿勢が生まれます。体験をとおして“理屈”がわかれば、それを忘れることもありませんし、その理屈を他の様々な現象に適用し、推理していく力も養われます。食べ物の具体性から、リアリティをもって科学を習得していく方法を例示することは、「リビングサイエンス」における学びの一つのモデルを示すことになるでしょう。

教室の様子

  一方で「調理科学」「食品学」「栄養学」などが積み上げてきた分析的な知見があり、“料理のコツ”の科学的説明があります。もう一方には、「物理」「化学」「生物」などのどれにも関係し互いに切り離すことのできない“食材”“調理”“食べること”の統合性・総合性があります。その両者をどう出会わせて、発見と探求の面白さを引き出す学びをデザインするか??そんなプログラムを、様々な専門家や「食」の問題に関る実践家たち、子どもの教育に携わる人たちと協力して、作り上げていきたいと思います。

 2009年3月までに、第一シリーズとなる以下の10個の実験講座プログラムメニ ューを完成しました。それぞれの実験講座は、さまざまな場で実施され、雑誌や 新聞にもたびたび紹介されています。学年や単元の枠を超えて、大人と子どもの 両方が楽しめ、かつ家庭内でも実施でき、調理技能を直接養うことも同時に可能 となる−理科と家庭科と食育が融合したこのプログラムは好評を博し、大きな注 目を浴びています。

子ども料理科学教室の様子を動画でご覧いただけます。

food-science for kids.png

動画リンク: その1(3分01秒) その2(2分36秒)

調理実習室を使った出前実験講座(各メニュー約2時間〜3時間)を実施しています。 こちらのスタッフの人数(56名)や食材などでの制約がありますので、出前授業のリクエストを受けた場合には個別に相談をさせていただいています。
市民科学研究室事務局までご連絡ください。

■実験メニュー■
子ども料理科学教室は次の10回の実験講座メニューで構成されています。
どの講座も、


・調理実習室を使用します(学校の家庭科室や自治体の調理実習施設など)
・参加する子どもは20名までが標準です(学年は小学校1年生〜中学3年生まで)
・直前の準備に1時間半、授業で2時間半ほど、後片付けに1時間ほどを要します
・市民科学研究室からの派遣スタッフ(講師)は2名〜5名ほどです
・保護者の参加を原則とします(実験は子どもたちだけで行い、見学していただきます)

詳しいことは市民科学研究室までお問い合わせください。

0・(予備実験)鼻ってすごいね/浸透圧マジック!/小麦粉からガムができる? pdf
1・お米をおいしく炊く秘訣 pdf
2・野菜の甘さを生かしたクッキーづくり pdf
3・ダシの秘密をさぐる pdf
4・発酵という魔法
  〜小さな生き物(微生物)の大きな力をさぐる〜 pdf
5・わかる!使える!料理の道具たち pdf
6・塩が料理にとっても大切なわけ pdf
7・野菜はお友達! 育てる、作る、食べるのわざ pdf
8・豆や卵がカラダに変わる?!
  〜たくさんの顔を持つタンパク質の不思議〜 pdf
9・捨てないでおいしく長持ちさせるわざ
  〜食べ物をとことん生かす保存食〜 pdf
10・マイ・レシピで美味しく作ろう! 
  〜煮物、炒め物、和え物、デザート…に挑戦!〜[pdf 準備中]

なお、以上の「子ども料理科学教室」実験プログラムの開発(試験的実施を含 む)ならびに成果の公開(動画やウェブサイトを含む)は、平成20年度子どもゆ め基金「子ども向け教材開発・普及活動助成」(2008年4月〜2009年3月)を用い てなされています。

 

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