月刊「市民科学」
それぞれの号に掲載されている記事・論文の全文は、 2008年6月発行の「市民科学」の第17号 東京都の温暖化対策/エネルギー政策に注目を
babycomの連載『環境危機で変わる子ども生活』(2007年10月〜2008年2月、全5回)では、温暖化がもたらす様々なダメージを具体的に描き出してきましたし、子育てや健康面を主にしてどんな対策が必要かを問題領域に応じて示してもきました。その中で痛感されたのは、地球規模の気候変動という大きなスケールの現象である温暖化を押さえ込むのには、個々人や個々の家庭や事業所での自主的な省エネの努力を集積するだけではまったく歯が立たないだろう、ということです。CO2を排出量の多い部門(工場や大規模事業所など)でしっかりと抑制しない限り、あるいは家庭部門も含めて全部門でエネルギーをCO2排出量の多い化石燃料(石炭火力など)に依存する割合を落としていかない限り、各家庭ので省エネの努力の総和もいとも簡単に帳消しになる、という現実があるのです。 全体的にみるならば、防止対策の決め手は、 1)持続可能な社会を可能にする長期的な展望に立ったエネルギー政策が打ち立てられるか 2)それを確実に実行するための手段・メカニズムがあるか 3)とりわけ二酸化炭素排出を低減する行いが実際に“得をする”条件が作り出されているか に尽きるのではないでしょうか。これらは国が政策として掲げて実施すべきことがらであることははっきりしていますが、京都議定書(1997年)での6%削減の約束を守れずむしろ8%ほども増加している、という結果が示すように、ここ10年間の国の対策は失敗だったわけです。洞爺湖サミットで打ち出されることになっている“低炭素社会”に向けた提言も、1)〜3)の点からみてそれが本当に実効性があるものかどうか、厳しい検証が必要です。 国がいろいろな点で有効な政策を打ち出していくことに及び腰であったり、後手に回ったりすることは、環境や健康の問題で事例に事欠きません。そのような状況において、自治体が導入を開始して後に国全体の規制となった事例があることは注目に値するでしょう。(続く...)
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