市民科学・リビングサイエンス|市民科学研究室

月刊「市民科学」

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2008年6月発行の「市民科学」の第17号

【翻訳】バイオ燃料ブームを批判する

(著者)Henk Hobbelink
(環境と公正に配慮した農業を促進することを
目的とした国際NPO“Grain”のスタッフ)
(翻訳)杉野実+上田昌文
(所出)“Stop the agrofuel craze!”
Grainの機関誌『Seedling』2007年7月号所収)

 今や、新聞をみると、豊富なバイオ燃料利用の時代に人類が突入するであろうという見通しが、語られない日はないといっていいほどだ。石油会社はこれからも長期間にわたって石油を採掘し続けるであろうが、石油は気候変動・大気汚染その他環境災害の主要な原因であるから、その燃焼を減らすべきであるとの合意もできつつある。そのためには、トウモロコシやサトウキビを蒸留してエタノールにしたり、アブラヤシ・ダイズ・アブラナからディーゼル油を抽出したりして、生物素材から燃料を製造することが必要であると主張されている。またバイオ技術が発達した将来においては、雑草・樹木・食用油など、どんな生物素材でも燃料になるであろうとも言われる。一見するとその利点は限りないようにみえる。植物ははじめに二酸化炭素を吸収していたから、それを原料として自動車の燃料をつくれば、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを減らすことができるように思われる。植物を自前で栽培できるのなら、各国のエネルギー自給率が高まるようにも思われる。作物にあらたな市場ができれば、農村は経済的にも社会的にも利益を得るかもしれない。貧しい国々も新たな輸出市場をえるかもしれない。(続く…)

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