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月刊「市民科学」

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2008年5月発行の「市民科学」の第16号

書評『封印されたヒロシマ・ナガサキ 米核実験と民間防衛計画』

瀬川嘉之(市民科学研究室 低線量被曝研究会)

 今年(2008年)4月8日、新聞各紙が次のような小さなニュース記事を報道した。『読売新聞 夕刊』から全文を引用する。

 「 「第五福竜丸」の話題に  

 天皇、皇后両陛下は8日午前、皇居・宮殿で訪日中のマーシャル諸島共和国のリトクワ・トメイン大統領夫妻と会見された。
  宮内庁によると、1954年3月にマーシャル諸島のビキニ環礁で行われた米国の水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」の話題になり、天皇陛下は「核兵器というのは放射能を持っているので通常の兵器よりも影響が長く続く。広く、長く記憶されていく必要がある」と話されたという。」

 この記事を読んで、「天皇陛下」は核兵器の放射能が持つ意味についてはよくご存知なのだと思った。しかし、彼はほんとうに放射能の恐ろしさを知っているだろうか。広島・長崎の原子爆弾やビキニをはじめとする核実験に関して、米国の国立公文書館や米軍病理学研究所に埋もれ隠された史料を探求し、核兵器のはらむ歴史的、社会的問題性を提起されている高橋博子氏による新著でも、核兵器の持つ放射能に対する認識がテーマになっている。この記事で話題になっているまさにその1954年ビキニの大量殺戮破壊兵器の水爆実験の前と後、核兵器の放射能に関する米国政府の公式見解がどう変わったか、あるいは変わらなかったか、そのことの持つ意味を深く問いかける書である。 (…続く)

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