月刊「市民科学」
それぞれの号に掲載されている記事・論文の全文は、 2008年4月発行の「市民科学」の第15号 【書評】川端裕人『エピデミック』川端裕人『エピデミック』角川書店、 川端裕人さんの著作はフィクション、ノンフィクションともだいたい読んでいるほうだが、この本は個人的には“小説”としてはあまりおもしろさを感じなかった。とくに登場人物の動かしかたが、大手新聞社の記者以外、どちらかといえばステレオタイプ的なのだ(だから逆に映画にできそうではあるのだが)。ストーリー的には、科学と政治の関係、異なる専門性の相違、専門家と素人のギャップという科学技術論にまつわる焦点があちこちで交差している。リスク論のテキストとして読むことも可能だ。とはいえ、このような内容は既に他の小説や市民運動の主張や政策研究論文などでも多く指摘されているので、目新しくはない。しかし本書のおもしろさはそういう点ではないように思う。少なくとも私がおもしろく読んだ点はそういうところではない。一言でいえば「疫学」の特質を小説の形で読むことができたことがおもしろかったのだ。(続く…) |
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