月刊「市民科学」
それぞれの号に掲載されている記事・論文の全文は、 2008年3月発行の「市民科学」の第13・14合併号 【書評】『わたしのリハビリ闘争 最弱者の生存権は守られたか』写真: 多田富雄『わたしのリハビリ闘争 本書は,2006年度に行われた,政府による診療報酬改定に端を発した,リハビリテーション医療打ち切りに対する反対を掲げた闘争の記録を綴った,免疫学の世界的権威である多田富雄氏の論説を収録したものである。構成は,「はじめに」における総括と,闘争の経緯がわかるように発表順に収録された12の論文から成っている。リハビリを続けなければ,社会から脱落するもの,生命の危険さえあるものにたいして,医療を打ち切るというむごい制度改悪に著者は怒った。「文章を書いて抵抗することが,一障害者の私にできる唯一の抵抗であった。本にまとめておきさえすれば,この医療史上の一大汚点は,実名とともに後世に残る。私にはそれを書き残す義務がある」との思いが,不自由な体に鞭打ってキーボードに向かわせた。生命と人権を軽視した政策がまかり通る社会は,弱者を平気で犠牲にする社会,戦争に突き進んでしまう社会に直結するという危機感も原動力になったという。人の十倍はかかる,左手一本の困難な執筆で,「非人間的な制度改定から一年あまりの間,命がけで新聞や雑誌に論文を書き続けてきた」と著者は語る。その執筆作業そのものが実は,リハビリ訓練で可能になった身体機能であった。(続く…) |
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