月刊「市民科学」
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2007年10月発行の「市民科学」の第10号
【翻訳】精神障害の深層−−それは環境とどう関連するか (翻訳 杉野実+上田昌文)
チャールズ・W・シュミット(『環境健康展望』2007年8月)
Environmental Connections: A Deeper Look into Mental Illness
Charles W. Schmidt
Environmental Health Perspectives Volume 115, Number 8, August 2007
精神障害はなにゆえ生じるのでしょうか? 精神障害は環境と何からの関係があるのでしょうか? 環境の意味を広くとって、遺伝子への環境の作用を含めて考えるなら、どうでしょう? 最近の研究によって精神障害の原因に新しい光を投げかけられていることを伝える論文をご紹介します。
【翻訳論文】
多数の患者を入院させ、障害による生産性の巨額の損失をもたらし、自殺の危険をおおいに高めている精神障害は、社会が直面するもっとも重大な脅威のひとつである。この潜在的に危険な状態は、遺伝と環境の複合によって生じることが、科学者には以前からわかっていた。遺伝学的研究は、精神障害の複雑な生物学的基礎をあきらかにし、特定遺伝子が特定個人に、鬱病や統合失調症になりやすい傾向をもたらしていることをしめした。
いまでは疫学と分子生物学が手をたずさえるようになったおかげで、精神障害の原因論における環境の役割はより明確になった。精神科治療の改善をすすめる非営利団体「治療助言センター」の会長E・フラー・トリー氏などは、精神障害は環境保健の領域にはいりつつあるといっているくらいである。氏はまた、その領域から治療法のあらたな進歩がすぐにあらわれるであろうともいう。
「20世紀医学のもっとも偉大な進歩は、伝染病の特定とワクチンによるその予防、衛生設備と栄養の改善、そして環境汚染の危険削減によって達成されました」と、コロンビア大学医学センターの臨床精神医学・疫学準教授アラン・ブラウン氏はいう。「(精神障害の)環境的危険要因が確認されれば、その危険と発症率を低下させる予防的措置がわかるであろうと、期待していいのです。」■(続く…)
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2007年10月発行の「市民科学」第10号 