月刊「市民科学」
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2007年6月発行の「市民科学」の第6号
スイス政府発行のブックレット『環境中の電磁波スモッグ』の翻訳が完成
スイスは世界で最も先進的な電磁波防護関連法規を制定している国である。2006年に同国のスイス環境森林景観庁(SAEFL)は、国民向けに予防的観点を重視した解説ブックレットを発行した。同書はSAEFLのホームページから無料でダウンロードできるが、日本の市民にも利用価値が高いと思われるので、全文を日本語に訳し、市民科学研究室のホームページで入手できるようにした。日本語に翻訳することを快く許可してくださったSAEFLに感謝します。
【序文】 公衆衛生のための予防
現代情報通信技術の発展により数えきれぬほどの手段が選択できるようになったが、そのおかげで過去10年かそこらの間に、日常生活はすっかり変わってしまった。携帯電話とインターネットの急速な成長は、そのうちの二つの例にすぎない。
今ではさらに多くの電気機器や無線装置が、家庭や職場で、あるいは移動中にも用いられているが、そのことには、非電離放射線による環境汚染の増大という、否定的な側面もある。連邦議会は2000年2月に、電磁スモッグの健康への悪影響から国民を保護するための手段として、非電離放射線防護関連法を制定した。それは、科学的に確認された悪影響から国民を保護するために、送電線その他供給装置、携帯電話基地局アンテナおよび無線送信機に関して、曝露基準を定めたものである。同法はそれに加えて、住民が長期間占拠する地区に近接して建設される装置に対して、厳重な規制を課しているが、そこでは予防原則を適用して、曝露基準をさらに低く設定している。
非電離放射線とその生物学的影響は複雑であり、ヒトは放射を直接に知覚する感覚器官をもっておらず、研究には未解明の部分があり、さらに健康リスクには不確実性が付きまとうため、さまざまな恐怖や憶測が生じがちであるが、スイス環境森林景観庁は、この冊子を通じて事実に関する情報を提供することにより、それを克服することを望んでいる。この冊子はたとえば、非電離放射線の健康に対する影響に関する最新の発見を、できるかぎり客観的な形で提供している。ここではまた、環境中に常在する見えない放射に視覚的なイメージを与え、それをより捉えやすいものにすることも試みた。
しかしこの冊子はまた、個人的責任の側面にも触れている。というのは、電磁スモッグはしばしば自家製であるからだ。多くの家庭において、非電離放射線の主要な源泉は外部の供給体系ではなく、むしろ内部の電気機器である。そうなると、法的な規制による保護にも限界がある。自身の利益を考慮して行動し、現代技術が提供する多数の選択肢を慎重に使用すべきなのは、われわれひとりひとりである。
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2007年6月発行の「市民科学」第6号 