月刊「市民科学」
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2007年6月発行の「市民科学」の第6号
書評 『 超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会』
渡部麻衣子 北里大学大学院医療系研究科 臨床遺伝医学講座 特別研究員
能力増強技術の衝撃
たしかに、衝撃である。ラムズ・ナメは、その著『超人類へ!バイオとサイボーグの技術がひらく衝撃の近未来(MoreThan Human)』で、一歩間違えば荒唐無稽のサイエンス・フィクションと取られかねない先端の能力増強(エンハンスメント)技術を、具体的かつ肯定的に紹介することに成功している。
たとえば、遺伝子改変技術。これは、特定の働きを持つ遺伝子を細胞内に人為的入れる技術で、ボイヤー(世界初のバイオテクノロジー企業ジェネンテック創設)とコーエン(1986年ノーベル賞受賞)が、1973年に大腸菌への外来遺伝子導入に成功したことに端を発する。この技術は、ウイルスに遺伝子を人為的に細胞内に運ばせる技術によって、高等生物への応用が可能になった。すでに1990年に、免疫不全を引き起こす遺伝子疾患であるADA欠損症の治療に、米国医薬食品局(FDA)および国立保健研究所(NIH)からの承認をうけて利用され成功をおさめている。この事実から、読者は遺伝子改変技術を現実的で有用な技術として認識する。そして、同じ技術が、赤血球の生産を促進し、血中の酸素運搬能力を高めて耐久力を向上させるために使われることを、さもありなんと受け止めることができる。
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2007年6月発行の「市民科学」第6号 